誰の言うことでも一応は素直に聞く。いいなと思ったら素直に取り入れて実行する。

 

今回の記事のタイトルの言葉、私の言葉ではありません。

 

パナソニックグループの創業者、松下幸之助氏の言葉です。

 

最近、松下氏の本を読み返しています。

 

 

『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』という本です。

 

この記事のタイトルの言葉はその本の中の一節です。

 

これ、リーダーという立場以外の人であっても、ある道で経験を積めば積むほど陥りやすいことかもしれません。

 

本文からもう少し引用してみます。

 

~~~~~~以下、引用~~~~~~~~

 

誰の言うことでも一応は素直に聞く。いいなと思ったら素直に取り入れて実行する。人の意見を聞くときは、虚心になって、私心をなくして、素直な心で聞く。そうして他人の知恵才覚を授かる。そのむずかしくないことを、人はなかなかできない。そして失敗する。

 

 

ぼくが今日まあ成功した理由は何か、いろいろ言われてるけどな、ぼく自身はどうええんかなということを考えてみると、ぼくは誰の言うことでも、一応は素直に聞くわけや。

それで「なるほど、これはええな」となったら、それを実行すると。こうなってんのや。だから、意見を言うた人にとっては言いがいがあるわけやな。

「ああ、松下さん、ぼくの言うことを聞いてくれた。あの人を応援してあげよう」と、こうなるわけやな。今日の成功があるとするならば、そういうことやと思う。

 

ぼくは、知識も健康も力もないしな、ケンカしたら負けるし、弱い男や。それが、今日こうしてあるというのは、自分の才覚というのも、ないとは言わんけど、ある程度あったんやと思うけども、その才覚の前に他人の意見を、いいなと思うものは素直に取り入れたわけやな。それで、今日の成功があると思うんや。

 

だから今後、皆さんは長きにわたって生きていくんやから、新しい問題に直面して解決せんならんというときに、人の意見を聞く場合が非常に多いと思う。その場合、自分というものを頑固にもっておったら、それが入ってこないわけや。その時間は虚心になって、私というものをなくして、素直な心になって聞く。そうすれば、それぞれの知恵才覚というものを授かれるわけや。何も難しいことはない。それを自分の考えでね、「あんなこと言うけども、あいつ、私をだますんやないか」というて構えていると、せっかくええことを言うてもらっても入ってこない。それでみな失敗するわけや。

 

 

~~~~~~~引用終わり~~~~~

 

 

どの道でも経験を積むほど、自負心が出て頑固になってしまう場合がありますね。

 

「自分はこの分野で何年もやってきているんだ。だから自分の考えは正しいはずだ」と。

 

でも長くやっているだけでは、正しさの根拠なんてありませんよね。

 

そういった自負心が邪魔をして人の意見を素直に聞けなくなることがある。

 

これ、「経験」の持つ負の側面だと思います。

 

どんな分野でも「経験」の長い者が多くの人から支持を得ているわけではありませんよね。

 

医者でも政治家でも先生でも会社員でも。

 

世の中には「経験」を積むことで、良くなるどころか劣化していく人も多いように感じます。

 

「誰の言うことでも一応は素直に聞く。いいなと思ったら素直に取り入れて実行する。人の意見を聞くときは、虚心になって、私心をなくして、素直な心で聞く。そうして他人の知恵才覚を授かる。そのむずかしくないことを、人はなかなかできない。そして失敗する。」

 

 

この言葉、私自身も戒めにしていきます。